注目を集める大崎三丁目の再開発とその背景
住民が安全に暮らせる防災性に優れた街づくり
現在再開発が行われている大崎三丁目は、大崎駅西口に近く、北側には観音寺・居木神社などがあります。
現状、この地区には約30棟の建物が存在しますが、そのうちの80%が新耐震基準前に建てられた木造建築物です。
首都直下地震・南海トラフ地震などの災害への対処が求められるいま、もし災害が起きた場合、細街路が多いこともあり、この地域への緊急車両の進入が困難などの問題を抱えています。
また、利便性という問題でも、現状では大崎駅とのアクセスもスムーズではありません。
今回の再開発は、防災性に優れた街づくりを行い、この地区に暮らす人々が安全かつ便利に暮らせることを重点に進められています。
ランドワークグループと大崎三丁目の関係
- 再開発が進行中の大崎三丁目とランドワーク不動産の間には、浅からぬ縁があります。かつての品川倉庫建物時代に、大崎・五反田を中心とした不動産業に集中。大崎が工業地域から高度な生活エリアへと変貌していく中で、地域環境の変化にいち早く対応し、大崎三丁目にて賃貸住居を所有、運営していました。再開発後も賃貸借室を複数取得致します。
ニュー大崎ビル
誰もが住みやすい街に変貌を遂げる大崎三丁目
再開発の象徴となる地上37階の高層ビル
2026年に竣工予定の建物が、地上37階・地下3階・高さ143m・延べ面積53,400㎡の再開発ビルです。再開発地区は、この高層ビルを中心に街が構成されます。
ビルには、約451戸の住宅が入り、将来において大崎三丁目のシンボルタワー的存在となることが期待されます。
人々の交流の場としても注目される再開発ビル
どんなに立派な高層建物が建設されても、それが孤立したものであったら意味がありません。新設となるビルは、この街に住む人々はもとより、この街を訪れる人々にとっても価値あるものを目指します。
そのため、同ビルには、住宅だけでなく店舗・保育所・オフィスも入り、人々のコミュニティの場として期待されます。
この地の歴史に深くかかわる社寺を活かした景観づくり
大崎三丁目には、後世に残すべき歴史があります。大崎鎮守の居木神社と、天台宗の観音寺です。両社寺は、古くからこの地に住む人々に崇敬され心の拠り所でもありました。
今回の再開発では、道を挟んで向かい合う居木神社と観音寺への参道を拡張し、緑化を促進する予定です。
必要な歩行空間を確保するとともに、この地の歴史に深くかかわる両社寺を活かしつつ、誰もが癒される景観形成を創造する計画です。
緑豊かな街づくりを具現化する緑の広場
再開発ビルの西側、居木神社との間に約1,000㎡の広場を設けます。この広場の目的は2つ。1つは、再開発地区西側の後背地細街路と再開発地区を行き交う人の流れを受け止め、駅に至るデッキルートなどへ繋げる機能を与えること。
そして、もう1つは、ここに豊かな緑を配することで、居木神社境内やその参道を含めた街全体を緑豊かなイメージへと誘います。
安全で快適な4m幅の歩行者空間の設置
再開発ビルの南側の道路には既存の歩道に加え、ビル1階に入る店舗などに面した4mの歩道状空地を整備。これにより、安全・快適な歩行者空間を確保します。
シンクパークとの接続で濡れずに駅へアクセス
既存の大崎駅南改札から、再開発地区の南東にあるシンクパークに至るルートを延伸してデッキの整備を実施。
再開発地区と大崎駅との歩行者デッキワークの形成は、この新たなる街と大崎駅西口を繋ぐ利便性を大きく向上させます。
大崎三丁目の再開発プロジェクトの根本は、再開発地区を防災性に優れた街づくりに推進することにありました。
しかし、それだけでなく新しい街の完成により、そこに暮らす人はもとより、その周辺に暮らす人々、そしてこの街を訪れる人々にも、様々な利点をもたらします。
コラム後編では、再開発によって大きな変貌を遂げた大崎三丁目が、その周辺地域にもたらすプラス面に触れていきたいと思います。