今回は、事業用建物(いわゆるオフィスビルなど)から廃棄されるゴミ(廃棄物)について
お話しさせて頂きます。
一般的に、ご家庭ごみは「可燃・不燃・資源」など清掃事務所の回収日にあわせて廃棄をされているかと思います。
事業用廃棄物も同じように分別されますが、保管・回収の仕方は、ご家庭ごみとは異なります。
事業用廃棄物は、回収・保管・分別・廃棄処理といった工程を管理する「廃棄物管理責任者」を選任し
行政に届け出をします。
この管理者は年間の「廃棄物の管理計画書」を作成し行政に届け出なければなりません。
事業用建物の場合、回収先でどう分別されているかも大切です。
家庭と同様に、細かく分別され指定日にゴミ出しすることは、会社でもしなければならない大切な事です。
事務所の照明もLED照明でないところは、不点といって経年により交換が必要となります。
当然、古い管球は廃棄されますが、割れものなどと同様に廃棄できるわけではありません。
船で運搬し、遠方の処分場で処理される事もあります。
家庭でも粗大ゴミは有償で処理しますが、事業用建物では、より細かくそして多くの費用を要してゴミの処理をしているのです。

ご家庭でのゴミ出しが面倒で会社のゴミ置き場に廃棄される方がいらっしゃいます。
廃棄処理計画書に記載の廃棄物は、全て「その建物」から排出されるものを想定されていますので、
「当該物件以外のゴミを持ち込むのはおやめください」と注意喚起が必要になります。
最近は、紙巻きたばこを吸う方は少なくなりましたが、稀に使用済のライターを燃えるゴミと一緒に廃棄する「不心得者」がいます。
回収・保管の過程で分別漏れをしたライターは、ゴミ収集車に詰め込みされ処分場に向かいますが、
完全にガスが抜けきっていないライターがほかのゴミと一緒に回収された際に「火種」となり、ゴミ収集車の荷台の中で発火する事があります。
筆者も、ゴミ収集車が路上に出た後モクモクと煙が上がり、通報により駆け付けた消防隊の放水で鎮火した場面に遭遇し、
その後始末を警察、消防の方と一緒にした経験があります。
ゴミ収集車の運転手さんは、場内で火災になると大事になる可能性があるので、ドアミラーで煙を確認したときに、
「とっさに早く外に出ないといけないと思った」「大事にならないで良かった」と安堵されていました。

冷静な判断により最小限の被害で済んだのでした。運転手さんグッジョブ!でした。
聞けば、この手の火災も多く、ゴミ収集車には消火器も備えつけられており、訓練と経験が活きたとの事でした。
ライターを捨てられた方は、悪気があったわけではなく、着火しなくなったからと簡単に近くのゴミ箱にポイと捨てたんだと思います。
しかし、その気持ちと行為により、もしかしたらゴミ収集車が地下駐車場で燃え、駐車車両に延焼し怪我人だけでは済まない事態と
なっていたかも知れません。
安易にポイ捨てをする前に「このゴミどうしよう!」という気持ちをもって、正しくルールに沿って廃棄して頂くよう意識づけてください。
